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海堂 尊

宝島社

グループ:Book

ランキング:391

価格:¥ 1,575

ポイント:15 pt

発売日:2008-11-07

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カスタマーレビュー

議論ばかり・・・  (2008-12-25)
今回のシリーズはミステリーっぽくない。医療事故死の死因究明のあり方を、
さまざまな人間が議論する展開になっている。役人、医療従事者、法律学者、
遺族代表などなど。誰もが自分の立場から言いたいことを言いたいだけいうので
収拾がつかない。おなじみの登場人物田口や白鳥も、今回は影が薄い存在に
なってしまっている。壮絶な議論はそれなりに面白いのだが、述べられている
内容がくどすぎる。今の医療の問題点を滔々と述べるのはいいのだが、度が
過ぎるとうんざりしてくる。作者の思惑は、読み手を楽しませることではなく、
この作品で自分の考えを主張することなのか?と勘ぐりたくなる。明らかに
今までのシリーズとは趣が異なる。ラストもかっこよく決めようとしているの
だが、なんだかすっきりしない。田口や白鳥に、もう少し活躍してほしかった・・・。

これはサーガの第1章  (2008-12-20)
今までの諸作品は全て、ミステリーの形をとった「登場人物紹介」に過ぎなかった!と、今作品を読んで感じました。「ひかりの剣」でチラリと姿を見せた人物が、影の主役として登場し、これで役者は揃った感があります。「ジーン・ワルツ」で言及されていた重要な事件も、この作品の中で初めて起きます。裏にあるものをほのめかせつつ。
海堂さんは日本の医療行政に異議を申し立て世に警鐘を鳴らす手段として、このフィクションを用いているのかな、と感じます。
この架空世界の医療行政は、どう進んで行くのか? 「医学のたまご」において、かつて一度崩壊したと語られていた、未来の桜宮の医療は。第2章を待つのが怖いような楽しみなような…。

イノセント・ゲリラ  (2008-12-18)
海堂氏は小説を書きたいのではなく,小説を通して自分の主張を訴えたいだけなのではないだろうか.そうだとしたら,その戦略は見事だと思う.

今回のテーマは「死因不明社会をどうするかについての会議」,舞台は厚労省の会議室.田口・白鳥コンビとメインパーソンは「AI」導入推進派の病理医.前半は何も決定しようとせずダラダラと続く会議.会議出席者の田口先生は退屈そうだが,読んでいるのも退屈.後半は病理医の独断場であり一人演説が続く.医療による不可抗力的な死亡にまで警察が介入するべきではないという「医療と司法の分離」は確かに正しいのかもしれない.しかし,そんなことを会議で訴えても結局何も変らない.それはそのままこの小説にも当てはまる.

「チーム・バチスタの栄光」自体がAIを広めるための道具ようなものだった.その傾向は本作でピークに達している.田口・白鳥コンビや他の登場人物の将来・過去につられて新作がでるとつい読んでしまうがいつも後悔する.結局あれ以降は医療エンターテイメントではなくなりつつある.次々に登場するキャラクターも強烈な個性で勝負しているようだが,もっと現実的で説得力のある人物がいてもいいと思う.

海堂尊よどこに行く  (2008-12-15)
想像はしていたのだが、最初の作品以外はミステリー色が無くなって、医療問題の提議になりつつある。でも、全て読んでしまっている自分もいるが。キャラクターは面白いので、さっと読めてしまうのだが、そろそろ、ミステリーに戻っては。でも、厚生労働省を批判した勇気ある本だと思います。

厚労省批評寄りの作品と理解するのが正しいかも  (2008-12-05)
チームバチスタの栄光の著者が書く医療と司法の確執

海堂ものはエンターティメントに振ったものと、この本のように
現実をフィクションで見せる物とある。

この本のメインは、これまでの病院ではなく、厚労省の検討会が中心と
なっています。そして、その舞台には女性の姿はほとんど無く
これまでの医療を中心としたものから、ひたすら会議中心の
議論になっています。

厚労省の役人達の姿は実際の官僚にもとても似ている気がします。
そして、海堂さん自体の実体験からこの本を書かせたような気がします。

官僚の頭の良さは、嫌みな程なのですが、それが遺憾なく作品に
反映され、それを切って行くアウトローの研究者が楽しいと思って
読める人はこの本はお薦めでしょう。

いつもながらのテンポの良さは一貫していますが、エンターティメントを
望む読者には方向性の違いを感じるのでは無いかと思います。